高電圧モーターのメンテナンス項目は何ですか?

​I. 事前メンテナンス準備​

1. ​安全隔離と電源遮断​

   • 電源を切り、ロックアウト（LOTO）を行い、放電ロッドを使用して電圧の不在を確認し、誤って通電しないようにモーター巻線を接地します。
   • 警告サインを掲示し、制限区域を設けます。作業員は10kV絶縁手袋、ブーツ、ゴーグルを着用する必要があります。

2. ​予備的な故障診断​

   • ​目視検査: ケーシングのひび割れ、焼け跡、過度のほこりがないか確認し、銘板のデータが判読可能であることを確認します。
   • ​電気試験: メガー（例：6kVモーターの場合は2500V、最小1MΩ/kV）で絶縁抵抗を測定します。分極指数（≥2.0）と吸収比（≥1.3）を記録します。
   • ​機械的チェック: ベアリングの詰まりや異常なノイズがないか、手動でローターを回転させます。

​II. モーター分解​

1. ​外部コンポーネントの取り外し​

   • 電源ケーブル（例：U1、V1、W1）にラベルを付け、取り外し、銅線で短絡させて接地します。
   • 冷却ファン、シュラウド、カップリングを取り外し、分解順序を記録します。

2. ​ベアリングとエンドシールドの取り外し​

   • 分解前に、エンドシールドとフレーム間の位置合わせにマークを付けます。ベアリングを損傷しないように、プーラーまたは銅製の木槌を使用します。
   • ベアリングのピッティング、ひび割れ、または過度の遊び（例：0.2mmを超えるクリアランスは交換が必要）がないか検査します。

3. ​ローターの取り出し​

   • 大型モーターの場合、固定子巻線に接触しないように、バランスの取れた吊り上げ工具を使用してローターを取り出します。エアギャップの均一性（偏差≤±5％）を測定します。

​III. コアコンポーネントのメンテナンス​

1. ​固定子検査​

   • ​巻線チェック: 接地、短絡、または断線を特定します。損傷した箇所は、クラスFマイカテープ（10層）で再絶縁するか、必要に応じて巻き直します。
   • ​コア修理: 絶縁ウェッジで緩んだ積層板を締め付けます。過熱した部分でコア損失試験を実施します。
   • ​スロットウェッジの固定: エポキシ樹脂で緩んだウェッジを固定し、中空音をなくします。

2. ​ローターメンテナンス​

   • ​バー修理: 破損したローターバー（銅/アルミニウム）をTIG溶接で溶接するか、銅バーと交換します。
   • ​スリップリング/整流子: 表面を粗さRa≤1.25μmに機械加工します。ブラシ圧を15〜25kPaに調整します。

3. ​潤滑と冷却システム​

   • ベアリングハウジングを清掃し、グリース（例：リチウム系、容量の≤2/3）を再充填します。詰まった冷却ダクトを清掃し、損傷したファンブレードを交換します。

​IV. 再組み立てとテスト​

1. ​再組み立て手順​

   • 分解手順を逆に行います。ベアリングを80〜100℃に加熱して取り付けます（直火への露出は避けてください）。
   • 端子箱を二重層保護（ゴムガスケット+防水パテ）で密閉します。ケーブルシールドを片側で接地します。

2. ​電気試験​

   • ​DC耐電圧試験: 定格電圧の2.5倍を印加します（例：10kVモーターの場合は25kV）。漏れ電流の偏差≤50％。
   • ​無負荷試験: 2時間運転し、電流の不均衡（≤5％）、ベアリングの温度上昇（≤55K）、および振動（≤2.8mm/s）を監視します。

3. ​保護装置の校正​

   • 差動保護の応答時間（≤35ms）と過電流許容値（±5％）を確認します。

​V. ドキュメント化とメンテナンス計画​

1. ​データアーカイブ​
   • 傾向分析のために、絶縁抵抗、耐電圧、および無負荷電流を記録します。
2. ​定期メンテナンス​
   • ​軽微なメンテナンス（6〜12か月）: 清掃、ボルトの締め付け、潤滑剤の交換。
   • ​大規模オーバーホール（5年以上）: 完全分解と巻線の交換。

​重要な注意点​

• ​安全コンプライアンス: 高電圧試験にはチームが必要です。消火器を準備しておいてください。
• ​環境管理: 絶縁損傷を防ぐために、湿度を≤80％に保ちます。

この手順は、モーターの仕様に基づいて調整する必要があります。OEM固有のガイダンスについては、メーカーのマニュアルを参照してください。